さぼってんだログ 常時ネタバレ

今のところ、和製RPGのシステムについて本気出して考えてみている。ネタバレに配慮していません。

『まどマギ』をゲーマー脳が復習考察 -『マギレコ』アニメ化するんだってよ便乗企画-

お久しゅう。だいたいオフラインな私、知らんうちに「はてダ」終了してて「はてブロ」への自動移行期間も知らんうちに過ぎてた罠。勝手に移行されてたのはいいがSEO的に弱すぎるんで、一回上げてみるための記事です。新記事もごくまれに増えることもないではありませんので、皆様も時々は来て上げていただけると嬉しゅうございます。

ってそれだけだと何かでアンテナ張ってて来てくれたのにがっかりさんで申し訳ないので何か書こうかと思ったんですけど、あんまり評判のよろしくない『マギアレコード』アニメ化するみたいなんで、便乗で「まどマギで思いついたこと書き留めてみるテスト」を実施しちゃうぞってわけですよ。


『魔法少女まどか☆マギカ』はゲーマー脳的にはこういう作品です

※キュゥべえが不老であって不死でないケースを考慮してなかった、正確性に欠ける記述になっていたので余談を一部訂正しました。大意に変更はないです。


念押しで言いますけどネタバレには配慮しないんだからねわかってますね?

ていうかここJRPGの話題限定じゃないの、ってツッコミもあろうかと存じますが、「惚れた女の子を幸せにするために100周で も1000周でもする」って作劇は、日本のゲーム文化の進展の中で発生したことは論を待たないので(いやそんなの知らんがな、お前わかってんなら今ここで 論じろやとか言われそうですけど、「なろうテンプレ」あたりで調べてもらえば既にどなたか書いてらっしゃるだろう話題です。各自自助努力でひとつよろしく どうぞ。暇があれば私もなんか書くかもですがどうかなあ)、これも和ゲー独特の話題ではあるのです。脚本の人もギャルゲ出身だから、アニメから出た人とは根本発想が違うんよね。まあそんなかんじでー。

前提。TVアニメは観ましたが映画は観てません(えー)。映画はほむらがアルティメットまどか認めません、やりなおし!ってする話だくらいは知ってますが実際それ以上なんも知らんです。

常々「観もしねえやつが何を言えるってんだなめとんかコラ。」なんぞとイキってる私ですので観てないものにはふつー物を言わないんですけど、今回実験的に言ってみることにします。推測だけでどこまで当たるかっていうか。ここがネタバレ前提なのは基本「もう観た人」向けだからなんですけ ど、観てなくても読んでる人はいるだろうから、たまにはそういう読者さん目線になってみるテストっていうか。観てしまった後では書けないものだから先に書いておいてみる的な。なんかそういうものです。ふわっとしすぎ。

『マギレコ』やったことないし細かいことは知らんのですけど、派生作品どれも本家ほど人気がないのは明らか。虚淵が拒否したと思うんだよね、派生作品勝手にやってもらうのは構わんけど自分からはこれ以上何も出ません、って。

だってTV版観てればわかるんだ、あの作品、元々から「ほむらが叛逆してみた(ほむらの望み通りに事が運ぶとは言っていない)」ところで終わる構造で、アルティメットまどか爆誕は起承転結の「転」に当たる部分なんだよ。そこでオチがついたって判断する自体おかしい構成になっているので、和ゲー的理路を大事にする人にとっては到底「これでオチたわけないじゃん!」としか思えなかったはず(具体例:私。だってさあ、最終話の後あっちゃこっちゃで「ハッピーエンド」とか書いてる奴いて、この人達何を観てたんだ目ん玉ついてんの、って思ったもん)。

つまり、TV版最終回は「まどかが目的を完遂する(理想的に解決するとは言っていない)1周目」であって、ということはゲーム的には「ほむらが目的を完遂する(理想的に以下略)(アンド1周回中にさらに複数の周回が入れ子になっていないとも言っていない。このへんは『巡り廻る。』が激しく参考になりました作者さんに深謝)2周目」が次に続くはずだって推測が当然成り立つのよ。え、成り立たない?そーゆー人は私のように無駄に和ゲーに脳のリソースを専有されたりはしてない人です、いやあ良かったですね。

逆方向に考えてみますよ。本来ゲーム作家であるところの虚淵がどーゆー順番でお話を構成したかって話です。私は物語作家としてはあんまり才能ないんだけど、作家さんの理路を推測するみたいなのはそこそ こできるはずなのでやってみるわけですよ。私にスタンド付いてるとしたら誰かは知らんけどどっかの安楽椅子探偵だと思ってる。

主人公は誰でしょう。「惚れた女のために100周する人」つまり、ほむらです。能力は?当然、「過去に遡る」に全振りですよね。全振りでもしなきゃそんな超絶チート能力持てるわけないもん。虚淵が「乳のサイズが戦闘力に比例する」ってギャルゲ全開なこと言ってて、それで言うとマミさんがさいつよ確定で、ぺったんこほむらは実際魔法少女としては戦闘力皆無、しょうがないのでどこぞの軍から火器を拝借してきて使ってる有様です。でもまあ戦術レベルの戦闘力で解決する話では元々ないので、主人公の能力としては戦闘力はさほど重要ではありません。

敵は誰でしょう。キュゥべえですね。主人公はこれをやっつけることになるので、敵は主人公と能力が同系統かつ弱いのが理想的。つまり敵の能力は主人公の下位互換であるのが単純かつわかりやすいでしょう。エントロピー操作系能力で下位互換、この場合は「死に戻り(ただし戻るのはせいぜいコンマ数秒程度の直前)」がキュゥべえの能力として選択されています。わっかりやすい笑。正確には「不測の死」がきっかけで発動し、ほんのちょっと時間が巻き戻ってコピーが生成される能力なんじゃないかと推察されます。 だから死体も残る。死体が残るは現象が同一時空間で起きている表現でもあり、ほむらと違って並行宇宙でやり直す能力ではないことがわかります。

余談と言うか注釈付けておくと、エネルギーが補給できなくなった時、つまり餓死した時にキュゥべえが死に戻れるかっていうと、不可能なはずです。できてたらキュゥべえの星のエネルギー問題解決しちゃってるよね。ていうかもしかすると、キュゥべえってその死に戻り能力のせいで、ちょっとがんばってみたら不老不死目指せるんじゃね?我が星のために永久機関になる実験体やってみてくんね?(むしろ強制)とか無茶振りされて、いやそれ絶対死ぬやつだよ!ってそのままだと自分が危険だったので地球からエネルギー回収する役目を引き受けるしかなかったのかもだよ。いくら地球人的感情がなくたって、生物である以上は自己保存本能はあるはずで、そうでなけりゃ死に戻りなんかしないだろうからね。余談ここまで。

さて、あとは主人公によって救われるヒロインを決めれば完成ですよ。まどかですよね。で、まどかの物事の解決方法はほむらの逆張りでなければなりません。まどかの魔法で何らか以前とは変わったとして、 そんなの全然幸せじゃないよ、とほむらが思ったら、まどかが満足してたとしてもほむらが巻き戻しちゃうんだから。ほむらが巻き戻し続ける動機を与える、こ れがヒロインの役目です。だから、ゲーム脳的にはまどかは元から主人公ではないっていうのがあの作品の基本構造であることは押さえておくべしです。で、視聴者の共感を得るべきは、主人公たるほむらの思考であるべしであることも。

だからTV編の最終話に違和感を感じた人のほうが感覚が一般的、とまでは言えないかも知れなくても、少なくともゲーマー的なんです。私はむちゃくちゃ違和感感じた人であることは主張しておきます。

ほむらが本当にしたかったこと、視聴者が望んだ結末って何でしょうか。多分、ほむらもまどかも普通の女の子として、日々他愛もなくキャッキャウフフ生活することですよ。それ以上の幸せなんてありますか。アルティメットまどかが何であるかって「神様」なんだもん。「叛逆」って単語はだいたい、神様に対して使うものです。「魔法少女みんなのための神様」になるんだってまどかの決心は美しすぎて涙が出ちゃうんですけど、まどか大好きほむらにしてみたら、何で「私ひとりだけのためのまどか」になってくれないの、そんなの絶対おかしい、やりなおし!って、そりゃそうなるわなっていう。

で、TV版最終話でまどかがアルティメット化したとき、ゲーマーである私の思考はほむら側にあったために、そんな終わり方ないわ、と思ったと。で、その先である映画を観ずにはいられなくなると(再度申し上げますが、観 て ま せ ん よ)。つまり本当の意味で虚淵脚本に乗せられたのは、私みたいな「納得できるまで何周でもしちゃう」奴らなんです。いやーしてやられてるわ。

映画がどんなオチだったかを私は知りませんが、TV版がほむらは納得できない1周目とすれば、映画版は叛逆なんだからまどかが納得できない2周目であるはずです。(アンドほむらを主人公とする私の推測においては、次の周回を駆動する動機につなげる都合上、ほむらも納得できない結末のはずです。ほむら主人公周とまどか主人公周が順番に繰り返すダブル主人公構造と見る場合は次の周回はまどかが駆動するので、ほむら納得の結末でも良いわけですが、まどかは自身が神様である周回で魔法少女を巻き戻せるだけなことに留意。まどかの能力もキュゥべえ同様ほむらの能力の下位互換なので、まどか独力では「本当の意味での次周=アルティメットまどかが存在しない展開」にはできないんです。)

で次は、まどか納得ほむら納得しない3周目が来るのかも知れないですね、それって1周目と同じ展開だからもう描く必要がない、4周目は2周目と以下同文、それで虚淵自分ではこれ以上描くことがないって言ってるんじゃないかってのが私の推測の全容です。これがゲーマー脳ってやつですよ、困ったもんですね。

ゆえに、『まどマギ』とはミストさんいわく「それって根本的な解決にはなってないですよね?」なんだけど、そこを観る作品じゃないんだ。何しろ観てないから多分、だけどね?