さぼってんだログ 常時ネタバレ

今のところ、和製RPGのシステムについて本気出して考えてみている。ネタバレに配慮していません。

完全コピーは難しいですよ

 文化の断絶問題をどう解決するかは色々やり方がありましょうが、スクウェアが取った方針は基本的には「無国籍化」でしょうね。
 典型的なのは『ロマンシング サガ ‐ミンストレルソング‐』のデザインです。色んな土地と時代の衣装や建物をまぜこぜにして無国籍化を図ったとスタッフが発言しています。Aさんに着物を着せてB さんにサリーを着せてCさんにプレートアーマーを着せるとかではなく、一人のキャラクターの中に兜はバイキング風、上着はブルガリア風、履物はトルコ風みたいにごちゃごちゃに投入されてます。国や土地も同様、一つの街にロンドンとパリとブエノスアイレスが混在してるとかです。『F.S.S.』でもやってたし特別新しいやり方でもないですが、確かに国籍不明にはなりますわな。特定文化の人達からツッコミが入りにくくなる効果はありそうです。
『Sa・Ga』シリーズはFFの兄弟分に当たるRPGのシリーズで、もちろんファンの母数はFFに比べれば小さいですが、これはこれで独自ファンがいます*1。が、出自からして、FF本編では取り扱いきれないけど捨てるには惜しいところを独立開業させてみた作品です。FF本編でやるには実験的すぎるもの置き場と化していたりもします。そういうシリーズはいくつかあって『聖剣伝説』とかもそうだったんだけど、最近見かけないなあ。スクウェアの定番シリーズって複数あったのに今もう絶滅しちゃった?
『ミンサガ』はリメイクで、元作品『ロマンシング サガ』とストーリーや設定は同じなのですが、デザインは全くかけ離れたものとなっています。これへの反発はあったようですが、ゲームの出来自体が良く、おおむね好評だった模様。ただしですね、プレイヤーからの反応が「デザイン変えすぎ」方面へ集中してしまって、肝心の「無国籍化」に関してはあんまり反応なかった気が。スタッフさんが評価を知りたかったのはそっちだろうと思うんだけど。
 とか言いながら私も無国籍かどうかはあんまり関心なくて、『Sa・Ga』だの『聖剣伝説』だのは、FFを研究して作った結果FFでないものができてしまった典型例だと思うので、そっちのほうが興味深いね。ものまねがうまい人っていますけど、それはかなり特殊な才能で、ふつーの人はいくらそっくりにやろうとしても、やっぱりどっか違うものになっちゃうよね。FF本編でも実験的な部分はけっこうあるので、『Sa・Ga』をFFナンバリングタイトルと置き換えてFFを名乗っても別に構わんのではないかとも思えるし*2。だから、FFをFFたらしめてるものって何よって聞かれると、うーんと考えてしまうわけです*3

*1:というか、マニアックなぶん濃いファンが多く、FFは煮ようが焼こうが構わんけどSa・Gaには下手に手ぇ出してくれるな、て雰囲気ですね。

*2:実際『Sa・Ga』シリーズの3作目までは、海外では『FINAL FANTASY LEGEND』のタイトルで発売されています。

*3:Sa・GaをSa・Gaたらしめてるものが何かははっきりしてますけど。そのうち書くかも知れません。