さぼってんだログ 常時ネタバレ

今のところ、和製RPGのシステムについて本気出して考えてみている。ネタバレに配慮していません。

今時やりそうにない綿密調査

 ここで、フランス革命の当事者であるフランス人が見ると、『ベルサイユのばら』は何か違うんじゃないか、というような話をしました。
 いやいや自分はフランス人の鑑賞にも耐える『ベルばら』を作ってみせたるで!という気概の方には、ぜひともやってみてもらいたいですねえ。物凄い調査が必要だろうと思いますけど。
 本場の人達までだまくらかそうと思うなら、綿密な調査は必須です。昔アニメの「世界名作劇場」ってあったでしょう、『アルプスの少女ハイジ』とかやってた。あれヨーロッパでも放送されて、あっちの人たちはてっきりヨーロッパで作られたものだと思ってたらしいです。
 そりゃまあヨーロピアンにしてみりゃ、スイスのお話が極東の島国の職人芸でアニメ化されてるとは思いもよらないわ、という理由もあれ、『ハイジ』のアニメを作るにあたっては、スタッフ数人が現地へ調査旅行をしています。想像を働かせますに、彼らは現地の人に混じって公共交通機関を乗り継ぎ、一緒にご飯も食べてみた。ここぞとばかりに写真を撮りまくり、参考になりそうな書籍や現地の土産物など買い求めた。何より、スイスアルプスの山々の雄大さに圧倒されたものと思います。彼らが日本へ持ち帰って来た風聞があって初めて、ヨーロピアンをもだまくらかす『アルプスの少女ハイジ』を作ることができたのです。
 今、どうですかね。少なくともテレビアニメの制作現場で「スイスの話作りたいからスイスに取材旅行させてくれ」とか言ったら「アホか」の一言で却下されそうです。今時は「ストリートビューでも見てろよ」で済まされちゃうかなー。行ってみないと、さらには住んでみないとわからない事ってあると思うんだけどね。
 ただやっぱり、『ハイジ』がどうにかなったのは元からフィクションだったから、ってのはあるでしょう。いくら『ベルばら』に「この作品はフィクションです云々」て注意書きしても、フランス人の脳内には常識的にフランス革命や周辺人物のイメージが存在してるので、それとの乖離の問題は避けられない、それすら越えるもん作るってなったらこれ、物凄い労力が必要なのは明らかです。
 そんなわけで「世界名作劇場」のアニメは今でも鑑賞に耐える作品ばかりです。コストはかかるかも知れないけど長持ちもするんだから、物凄い調査前提の作品もあっていいんじゃないですか。FFは……調査って何、ってかんじ。そこがいいところだよ、もちろん。